時をまとう影2025.11.13 00:00空の色を塗り替えたら時は進むのをやめた君から送られた写真の意味が今になってわかった気がした場所を変えて 姿を変えてやっと逢えても すれ違ってあの100万回生きた猫の物語を君もどこかで読んでいるかな夢なのかもしれないそれでもかまわない君が笑ってそこにいたことそのために生まれてきた星...
あとがき2025.10.27 17:35忘れないよ 忘れないよ 忘れないよ その声 やさしかった手を忘れないよ 初めて君が 名前を呼んでくれた日をずっと 忘れないよ ありがとうも ごめんなさいも言いたくなかった さよならも他愛のない笑い話も 忘れないよ すれ違...
読みかけの朝2025.10.26 22:00みつけたんだ 自分だけのほんとの居場所を穏やかな陽だまりだけどそれは夢だったすべてをさらけ出して似合わない服を着て少しずつこぼれて気がついたら何もなかった届かない想いになんか変わりゆく空になんか知らない 興味ないね今日はやけに夕日がキレイだもう振り返らないそれが自分だって気づい...
いとおしき毛玉2025.08.13 22:15君とはじめて 出逢った日一目散に こっちに走ってきて私の膝に ちょこんと乗ったしっぽは ウサギみたいに丸くて手でなでるには 小さすぎる身体いとおしき 白と黒の毛玉海沿いの古い町並みと少しまぶしい 潮風に吹かれ君を乗せて 景色は動き出す暗い箱の中から 顔を出した君はじめて映る 何も...
水たまりの空2025.07.30 22:30ぼんやり見てた 水たまりの星や月は 儚く揺らめいた触れたらきっと 消えてしまう届きそうで届かない この想い傘を引きずって 雨の中を歩いた何もかも流せたら いいのにないつのまにか 雨があがって見上げた夜空の 星と星を線でつないで 解けた気がした答え合わせさえ できないままにふいに生...
悲しみの色2025.04.30 19:00これはある絵描きの物語静かな町の隅で夢を描くだけどもう誰かのために描くのはやめようと呟いた花を生けた花瓶が倒れてこぼれ落ちるしずくを数えてた悲しみの色はいつの日もキレイで心の奥まで染み込んだその悲しみすら描かずにいられなかった沈んだ夕日が連れてきた夜の中に微かに聞こえた星たちの囁...
手紙2025.04.09 03:00星がキレイだよ書きかけた 君への想い書いては消して また閉じ込めた 本当の気持ちいつもそうだったダメな理由を誰かのせいにしてなかったことにして 黙り込んだ季節が変わりゆくたびに舞い散る花のような 儚げな今を二度と会えない 夕暮れのようなこの時の流れを 止める術もなく川に浮かぶ花び...
ゆきだるま2025.01.13 12:04君はどうせ いなくなっちゃうんでしょどんなに一緒にいたいと願ったって わかってたよ 最初から永遠なんてないと それでもただ君と一緒に 笑っていたかった 寒そうだねって巻いてくれた マフラー嬉しかったよ 空から幾千の粉雪 君...
白い記憶2025.01.13 11:20伝えたかったこと 今日も伝えられなかった そんなことを繰り返して ただ時間だけが流れて 似たような物語の中に 夢のような明日を探してた 真っ白に降り続く雪が 隠してしまったふたつの心 君はどうして泣い...
あまのじゃく2024.12.08 08:25伏し目がちに見たその視線の先 大好きだった名前さえも今は 心の奥 ずっと ずっと 深くに閉じ込めた 楽しかったことが 嬉しかったことが 鉛色の空みたいに見えた 自分の弱さが時に誰かを深く傷つけて どうすることも...
猫じゃらしの道2024.10.13 08:50黄色い花が風に揺れて にっこり笑ったような気がした ああ 君も笑ってるといいな どこからか聞こえてくる ぎこちないピアノと小鳥の声を ああ 君にも聞いてほしい 猫じゃらしの道を君とふたり 手を繋いでたら歩けるよ...
サヨナラの日が来ても2024.09.23 08:13風に吹かれ振り返ると 赤や黄色に鮮やかに色あせた 懐かしいにおいがした 君が好きだったあの季節 パン屋の前のベンチで 猫はあくびをして夢をみる まだやわらかい落ち葉の 話し声はどこか寂しげだった 夕暮れは切ないと いつも...