これはある絵描きの物語
静かな町の隅で夢を描く
だけどもう誰かのために
描くのはやめようと呟いた
花を生けた花瓶が倒れて
こぼれ落ちるしずくを数えてた
悲しみの色はいつの日も
キレイで心の奥まで染み込んだ
その悲しみすら
描かずにいられなかった
沈んだ夕日が連れてきた夜の中に
微かに聞こえた星たちの囁き
誰のために描いているのか
誰に見せたくて描いているのか
答えなんてわかりきってたのに
気付かないふりなんてして
絵描きはペンを握り黙ったまま
また滲んだ夜の空に星を探した
悲しみの色はいつの日も
キレイで心の奥まで染み込んだ
その悲しみすら
描かずにいられなかった
0コメント